2021年3月19日

介護にかかる費用と備え


最近、ドラマでも話題になっている介護。
急に介護が必要になったときに慌てないように、今回は準備に時間がかかると思われる「お金」の面から、介護の準備に参考となる情報をご紹介します。

介護にかかる年数と費用


過去3年間に介護経験がある人に、どのくらいの期間介護を行ったのかを聞いたところ、介護を行った期間は平均54.5カ月(4年7カ月)になりました。
4年以上介護した割合も4割を超えています。
また、介護に要した費用(公的介護保険サービスの自己負担費用を含む)は、住宅改造や介護用ベッドの購入などの一時費用の合計が平均69万円、月々の費用が平均7.8万円となっています。
生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成30年度

どういった事でお金がかかるのか

在宅で介護を行う場合

一時的な費用としては、まず自宅の改修が必要となります。
また、車いすや、介護用のベッドである特殊寝台、被介護者がつかまって歩けるような歩行補助器具など、レンタルを利用しない場合にはこうした福祉用具の購入も必要になる可能性があります。
また、月々かかる費用の内訳については、訪問看護・訪問介護などの利用料金、および車いすや介護用のベッド等の福祉器具をレンタルしている場合にはその料金が発生します。
また、このほかに日常の生活費や食費・居住費(家賃など)など、通常の生活を送るための費用も発生します。

介護施設へ入所する場合

主に前払い金として必要な入居一時金、毎月の生活にかかる月額費用(家賃・管理運営費・水道光熱費など)、介護にかかる費用の介護保険の自己負担分の3種類がかかります。
また、その施設が公共か民間か、どのような種類の施設かによって、かかる費用は異なります。
また、入居費のほかにも通院した際の医療費や各種レクリエーションに参加したときの材料費など、その都度出費があります。

今のうちに備えておくこと

介護には多くの費用が必要になります。
将来発生しうる介護に備え、健康なうちから準備できることはなんでしょうか。

家族と事前に相談しておく

想定される被介護者(親など)や介護の協力者と事前に相談をし、介護に関する意思を確認しておくと効果的です。

  • 介護の方法や場所(在宅or施設でのケア等)
  • 介護にかかる費用(急な入院の場合も)

介護保険制度について知識を深めておく

いざ介護が必要になった場合に、ぜひ利用したい制度が介護保険制度です。
介護保険は、65歳以上の方、あるいは特定疾病を患っている40~64歳までの医療保険加入者の方で、要介護・要支援状態であることを認定された方がサービスの提供を受けることができます。

このサービスを利用した場合、原則として各介護サービスの9割分(一定以上所得者は8割または7割)が保険給付の対象となり、自己負担分は残りの1割(一定以上所得者は2割または3割)および日常生活費・食費・居住費等になります。
サービス利用の際には、各市町村の窓口あるいは地域包括センターに相談することになりますので、覚えておきましょう。

まとめ


介護は、どのような状態でいつまで続くか見通しがつかないため、介護者が時間的にも経済的にも過度な負担を感じてしまうと、必ず苦しくなります。
無理のない介護を続けるために、少しでも経済面での負担を減らすよう、事前に準備しているとよいでしょう。